昨日、人間は他人の心を理解するために”投影”を使っていることを話した。
しかし、この”投影”は90%くらいうまくいくが、10%くらいの誤認識を引き起こす。
では、その10%も含め、全ての人の心を理解するには何が必要か、語ろうと思う。
昨日の内容の続きを話していくことにする。
見てない方は、上記リンクを参考に。
まず、軽くおさらい。
我々人間は、相手の行動、表情を見たり感じたりすることで、
その人の心情を想像する。
例えばニコニコしている人を見たら、その人は”嬉しい”という感情だと判断するし。
いつもより元気がない人を見たら、その人は”落ち込んでいる”という感情だと判断する。
この、他者の行動や表情から相手の心情を類推する機能を、投影という。
一般的に、勘違いというものは、この投影の誤作動から生じる。
例えば恋人とデートをしたとき、
相手がいつもに比べあまり笑わず、喋りもしなかったとする。
そんな恋人を見ると、「デート、楽しくないのかな?」
「もしかして、別れたいのかな?」という想像をしてしまう。
もしかしたら、その原因は、
相手が直前に仕事中にミスをしていたからかもしれない。
あるいは、一緒に食べてるご飯が、口に合わないのかもしれない。
もしくは、前日遅くまで電話をしていたので、純粋に寝不足なのかもしれない。
しかし、いつものデートでは楽しそうにしているにも関わらず、
その日のデート中に楽しそうにしてくれなかった場合、
「自分のせいで相手を楽しませられてないのではないか?」
と誤った投影を始める。
いわゆる、勘違いの始まりである。
さらに、この勘違いはどんどん悪化していく。
「自分のせいで楽しませることができないんだ」
と勘違いした自分は、
それをフォローしようと行動を始める。
いつもよりちょっと面白い話をしてみたりと、
気遣いを始める。
そして、その気遣いが、より一層相手に負担を与える。
その結果、お互いの心がわからなくなり、
コミュニケーションの崩壊が起きる。
では、そうしないためにどうすればいいか?
それは、たった一つに集約する。
投影の機能が完璧ではないことを意識的に認知すればよいのだ。
単純な話。
勘違いが無意識に行う投影の誤作動で起きるのであれば、
その無意識に行う投影を意識すればいいだけだ。
そうすれば、勘違いなんてするはずがない。
そうすれば、相手の心を読み間違えるはずがない。
そして、その一番の改善方法としては、
“相手の心を決めつけてかからないこと”を普段から意識すること。である。
大向はその意識をするために、心の中でいつも、
“1個の事象に対して、常に100個の想像するように‼”
と自分で銘じている。
例えば、朝の一番で子どもと出会ったとき、
その子の”おはよう!!”がいつもより小さかったとする。
そこで、「学校に来る前に、嫌なことがあったのかな?」
と、決めつけることは絶対ない。
100の想像をする。
「朝、家で怒られたのかな?」
「朝寝坊して、まだ寝起きなのかな?」
「風邪ひいて、体調悪いのかな?」
「のどが痛いだけなのかな?」
「登下校中に、へんな人にからまれたのかな?」
「昨日の宿題が、終わってないのかな?」
「学校に来づらい理由があって、憂鬱になってるのかな?」
「放課後、悪いやつに呼び出されてて、ビクビクしてるのかな?」
「恐喝されてるのかな?」
etc・・・
子どもが元気のない理由なんて、100以上簡単にでてくる。
学校の前に問題があるなんて、安易に決めつけられない。
学校に来てから、あるいはその瞬間に問題は起きてるのかもしれない。
だから、そのすべてを一度頭に呼び起こす。
決めつけたりせず、何パターンも思考する。
すると、まずは子どもの心を勘違いすることはなくなる。
そして、子どものどんな心情にも対応することができる。
元気が無いということで昼休みに呼び出して、話を聞いてみると、
「昨日の夜、喧嘩したお母さんが泣きながら出て行ってから、帰ってこないんです!」
なんて打ち明けられたとする。
そんなの、先生側もパニックになるに決まっている!!
でも、もしその子が元気のない理由を100パターン考えていて、
大なり小なりわからないけど、
家庭環境で何かあったのではと、自宅に電話していたら?
あるいは、それまでの生徒の言動から、
緊迫した状態を認知できていたとしたら?
ある程度はパニックになるかもしれないが、
そのパニックの度合いは、確実に減少させることができる。
そして、そのパニックを未然に防いだという経験は、
自分の記憶に101パターン目として記憶される。
これが、成長につながる。
今は、学校のイメージがわかりやすいので例に出したが、
対人関係もほとんど同じである。
友達、恋人がいつもより元気無いとき、
ニヤニヤしながら悪友に話を持ち掛けられたとき、
真剣な顔で先輩に呼ばれたとき、
申し訳なさそうな顔で後輩が訪れてきたとき、
我々は、100パターンの想像をする。
そして、相手の心を決めつけず、
全ての可能性を頭に置いておく。
そうすることで、
相手の話を引き出す中で、そのパターンが
50,30,10,5,と減っていき、
最終的に相手の気持ちを読み取ったことになる。
具体的な実践は難しいし、
小手先のテクニックにはなりえないけど、
個人的に使っている、相手の心の読み取り方についてでした。
さて、今日はここまで。
またの更新をお楽しみに!
子供の元気がない理由を簡単に100パターン出るなら出してみてや!
おもしろそうだわ。
こんどの機会にネタにするわ。